賃貸仲介業界は顧客対応やチーム運営が業績に直結する業種です。管理職（店長）の役割は非常に重要であり、そのマネジメントがチーム全体の成果や士気に大きく影響を与えます。
しかし、効果的なマネジメントを目指す上で、避けるべき典型的な誤りも存在します。
本記事では、賃貸仲介会社で陥りがちな「やってはいけないマネジメント」を5つ紹介した後、具体的なマネジメント業務についても紹介してみたいと思います。
「やってはいけないマネジメント」5選
1. 成果だけを重視しすぎる
賃貸仲介業務では、契約件数や売上といった成果指標がわかりやすく、ついそればかりを追求してしまいがちです。しかし、成果を重視するあまり、チームメンバーの努力や過程を評価しない場合、以下のような問題が生じます。
- モチベーションの低下：成果が出ないと評価されないというプレッシャーが、社員のやる気を削ぎます。
- 短期的思考の助長：長期的な顧客関係の構築よりも、その場限りの契約獲得に集中しがちになります。
対策としては、努力やプロセスを定期的にフィードバックし、目標達成に至る道筋も評価する仕組みを整えることが重要です。
2. 一貫性のない指示を出す
マネージャーが頻繁に指示を変更したり、状況によって対応を変えると、チームは混乱します。特に賃貸仲介の現場では、スピード感が求められるため、一貫性のないマネジメントは業務効率に大きな影響を与えます。
- 例: 昨日は「顧客第一」と言っていたのに、今日は「コスト削減が最優先」と指示を変える。
- 結果: チームメンバーが何を基準に動けばよいのか分からなくなり、意思決定のスピードが遅れる。
解決策としては、事前に方針や優先順位を明確化し、指示に一貫性を持たせることが必要です。
また、変更が必要な場合は、その理由をしっかり説明しましょう。
3. コミュニケーション不足
忙しい現場では、マネージャーが部下とのコミュニケーションを後回しにしてしまうことがあります。しかし、これにより以下のような問題が発生します。
- 部下が抱える課題や不満に気づけない。
- 情報共有不足でチーム全体のパフォーマンスが低下する。
特に賃貸仲介業では、顧客対応中の小さな問題が後に大きなトラブルに発展することがあります。日頃から部下とのコミュニケーションを重視し、気軽に相談できる環境を作ることが重要です。
4. 部下を信用しない
部下に対する不信感から、細かすぎる指示や過剰な管理を行うことは、現場の士気を大きく損ねます。
- マイクロマネジメント: 全ての業務を細かくチェックし、自主性を奪う。
- 結果: 部下が「どうせ自分で判断しても却下される」と感じ、挑戦や成長を諦める。
部下を信用する姿勢を持ち、自主性を尊重することで、現場の効率とチームの団結力が向上します。信頼を基盤とした業務委任は、チーム全体の成長に繋がります。
5. 問題を放置する
賃貸仲介の現場では、忙しさから小さな問題を見過ごしてしまうことがあります。しかし、放置された問題はやがて大きなトラブルとなり、チーム全体に影響を与える可能性があります。
- 例: 社員同士のコミュニケーション不和を見過ごす。
- 結果: チームの連携が悪化し、顧客対応に影響が出る。
マネージャーは、問題を早期に発見し、迅速に対処することが求められます。定期的なミーティングや個別面談を通じて、現場の課題を把握する習慣を持ちましょう。
マネージャーのやるべきこと
目標反響数、店舗目標成約率、個人の目標成約率などKPIを細かく設定する
できれば3～6ヶ月ぐらいまでの細かいＫＰＩを設定し、それを基に事業を行いましょう。
朝礼や夕会などの実施
チーム全体でのコミュニケーションを深めることと数値の確認や業務確認を日次で行うことができます。成果を残している多くの仲介店舗は、この日次のミーティングを実行しています。
定期的な1on1
部下のメンバーと定期的に1on1を行いましょう。行動の振り返りだけではなく、モチベーションの確認を行い、部下とのコミュニケーションをしっかり取っていくことが重要になります。最低でも月に1回は実施して頂ければと思います。
店舗業務のルール化（仕組み化）
細かいところだと店舗の清掃から始まり、反響の割り振りや営業報告、契約案件の共有など店舗業務を「ルール化」することが重要になります。
ある程度業務をルール化することで、メンバーは逆に営業活動に集中できるようになります。過剰に業務マネジメントを行ってしまう店長は、業務を「ルール化」できていないケースが多いように感じます。
まとめ
以上となります。
賃貸仲介会社のマネジメントにおいては、成果を重視しすぎず、部下との信頼関係を築きながら、一貫性のある方針を示すことが重要です。
また、現場の課題を迅速に把握し、適切に対応する姿勢が求められます。冒頭紹介した「やってはいけないマネジメント」を避けることで、チーム全体のパフォーマンスが向上し、会社全体の成長に繋がるでしょう。
管理職として、日々の業務に追われる中でも、チームメンバーの声に耳を傾け、持続可能な成長を目指すマネジメントを実践してください。
